【理科】物質の状態 – States of matter – Year5

ケンブリッジ式では、Year4の段階で、Solids, liquids and gases (固体、液体、気体)つまり物質の三態については学習済みです。(ちなみに「プラズマ」は物質の第4の状態と言われるようですね!)

そこからそれらの「物質」について一歩踏み込んで学習するのが、今回のユニットになります。

States of matter(物質の状態)

このユニット学習に入る前に、Uはこちらの歌でポイントとなる単語や現象を覚えました。

思わず口ずさんでしまう大好きな一曲です。

Water Cycle Song

 

1.Evaporation(蒸発)

雨が降った後しばらく経つと、なぜ水たまりは消えてしまうのでしょうか。
気体に変わった水の事を、水蒸気 water vapour と呼びます。
※スペルはvapourでもvaporでもOK!
この水蒸気や蒸発については、その現象をきちんと説明できるように学習していきます。
①Evaporation happens when a liquid turns into a gas.(液体が気体になる時、蒸発が起こる。)
②When particles of water gain heat energy, they move faster and further apart and break free from the liquid’s surface.(水分子が熱エネルギーを得るとそれらは動き出し、互いに離れ、水の表面から逃げ出す。)
③Heat makes evaporation take place faster.(熱は蒸発を加速させる。)
 
蒸発という現象が一体何なのか、しっかりと理解します。
蒸発とは、液体がその表面から気化する現象であり、水がどんな温度でも起こりうる現象。
あとあと他の現象が出てくると混乱が起きやすいので、まずはここまでしっかり理解します。
 
それから実際に「蒸発」という現象が日常生活でどう役立っているのか?考えていきます。
 
例えば、ドライヤーで髪を乾かしたり、ドライフルーツを作ったり、乾燥機で服を乾かしたり…これらは全て、「蒸発」という現象を利用しています。
また、汗をかくことやサニタイザー(消毒用アルコール)を例に挙げ、
 
Evaporation cools things down.(蒸発は物を冷やす)
という事も学びます。
 
アルコールは水に比べて蒸発しやすく、奪う熱の量も多くなるので、温度が大きく下がり涼しく感じることが分かります。
液体は蒸発するときに周囲から熱を奪う。
他にも洗濯物の例を挙げ、Liquids evaporate faster when the air is moving.(空気が動くと液体は速く蒸発する。)ということも学びました。
そして実験。
 
Container(容器)の大きさ、口の広さ、蓋のあるなし、日向日陰など様々に条件を変えて、数日がかりで蒸発のスピードを観察しました。
結果はこちら
①More water evaporates in warm conditions than in cool conditions.(涼しい状態よりも、温かい状態の方がより多く蒸発する。)
②More evaporation takes place from larger surfaces of water than from smaller surfaces.(狭い水の表面よりも広い水の表面の方がより多く蒸発が起こる。)
蒸発は、とっても身近に起こっている現象だということが分かります。

 

2.Evaporation from a solution(溶液からの蒸発)

水や他の液体に溶けた物質は、溶液を作ります。

Solution(溶液)= Solute(溶質)+ Solvent(溶媒)
溶質は液体に溶けている物質のことで、溶媒が溶質を溶かしている液体の事ですね。
 
ここではdissolve(溶ける)という言葉をしっかり理解します。
さて、「溶ける」とは、一体どういう事でしょうか。
①The particles of the solute move in between the solvent particles when they dissolve so you cannot see the solute in the solution.(溶質(物質)が溶けると、その分子は溶媒(液体)の分子の間を動き回る。つまり、(物質が完全に溶けた時)私たちは溶液の中で、溶質(物質)を見ることはできない。)
②When a liquid evaporates from a solution, the solid solute is left behind.(溶液から液体が蒸発するとき、固体である溶質(物質)はあとに残される。)
 
Solution Solvent Solute – Definition and Difference

液体に固体である物質が完全に「溶ける」時、それは私たちの目には見えなくなる訳です。

とすると、「泥水」はどうでしょうか?

時間がたっても、溶けたものは水と分離しません。

つまり、時間がたつと底に粒がたまるもの(泥水)は水溶液とは言えないのです。

では、泥水は一体何なのでしょうか?

生物の体液、にごった河川水、石けん水、牛乳、墨汁、コーヒー、ジュースなどのコロイド粒子が分散している溶液を、コロイド溶液と言います。(分子(1nm以下)、コロイド粒子(1nm~100nm)、その大きさが違います。)

Year5の単元ではないのでこちらは割愛しますが、「チンダル現象」や「コロイド粒子」などなど…理科は、学べば学ぶほど、どんどんその深みにはまっていってしまいますね^^


面白くて眠れなくなる理科 (PHP文庫)

 

3.Condensation(凝縮・結露)

ガラスや鏡に息を吹きかけると、その表面は曇ってしまいます。お風呂場でも同じような現象が起きていますよね。

その曇ったものの正体は一体何でしょうか。そしてそれらがなぜ形作られるのか、考えていきます。

①Condensation happens when a gas changes to a liquid.(気体が液体になるとき、凝縮が起こる。)
②When gas particles cool down and lose energy, they change into a liquid.(気体の分子が冷えエネルギーを失うと、それらは液体へと変わる。)
③Condensation is the opposite of evaporation.(凝縮は蒸発の反対の現象である。)
息に含まれる水蒸気 (water vapor) が十分に冷やされると、気体は液体に姿を変えるのですね!
 
こちらの動画で、Evaporation(蒸発)と Condensation(凝縮)の復習が出来ます。
Evaporation & Condensation

こちらのような観察であれば、おうちでも簡単に出来そうですね^^

 

4.The water cycle(水の循環)

水は、Solids, liquids and gases (固体、液体、気体)と状態を変化させながら、蒸発・降水・地表流・土壌への浸透などを経て、地球上を絶えず循環しています。

The Water Cycle | The Dr. Binocs Show | Learn Videos For Kids

Water cycleの中では、evaporation(蒸発)やcondensation(凝縮)やprecipitation(降雨)が起こっています。

Precipitaion(降雨)は雪やヒョウなど様々に形を変えて地上に戻ってきます。

動画の中では、When the cloud becomes too heavy and it cannot hold any more water inside, it bursts open to give out rain, hail or snow.と解説してくれていますね^^

①The water cycle is the movement of water from the Earth’s surface into the air and back again.(水循環とは、地表から空気中へ、そしてそれが再び地表に戻る「水の動き」のことです。)
②In the water cycle, water evaporates from the Earth’s surface, condenses to form clouds and falls back to Earth as rain.(水循環では、水は地表から蒸発し、凝縮して雲を形成し、雨として地球に戻ります。)
 
 

5.Boiling(沸騰)liquid + heat → gas

水を熱すると、温度がだんだん上昇します。その結果として何が起こるでしょうか?

水がぼこぼこと動き出し、沸騰しますね。そして、水の表面から何かが見えます。それらは一体何なのでしょうか。

詳しくは以下ベネッセの情報サイトに解説が載っています。

>>>【理科】湯気は気体か液体か?

湯気は「液体」、水蒸気は「気体」である。

普段目にするこの沸騰では、水の表面から蒸発 (evaporation) が起こり、水蒸気となって空気中に放出されます(気体)。そしてそれがすぐさま冷やされ、気体から液体へと凝縮 (condensation) が起こり、湯気として私たちの目に映るのです。

言葉で混乱しないように、ひとつひとつ、しっかりと理解・確認していきましょう。

When water boils it canges from a liquid to a gas called steam.(水が沸騰すると、液体から「蒸気」と呼ばれる気体に変わる。)

Steam is heated water vapour.(蒸気とは、加熱された水蒸気のこと。)

Particles of liquid water gain energy when they are heated and change into a gas.(水の分子は、熱せられて気体に変わるとエネルギーを得る。)

この辺りがポイントになってくるのですが…

あれ?

じゃあ、液体が気体になる、蒸発と沸騰はどう違うの?!

ということで、Uが混乱したポイントなので、こちらしっかり押さえておきます。

蒸発は、液体が表面から気化する現象で、沸騰は、液体が内部から気化する現象のこと。

どちらも気化する現象の事ですが、それが表面からなのか、内部からなのか、そこに違いがあるのです。

加熱により液体が十分に温まると、液体は沸騰します。この沸騰する際の温度のことを沸点、英語だとboiling pointと言います。

The boiling point of pure water is 100℃.(純粋の沸点は100℃である。)
この100℃というのはあくまでも水の沸点の事であり、物質により沸点は様々です。
そして、このpure waterの沸点が100℃であるというのはあくまでも、私たちが過ごしている通常気圧下 (at 1 atmosphere of pressure (sea level).)であるという点も押さえておきましょう。

6.Melting(融解)solid + heat → liquid

物質が溶けると、固体から液体へとその姿を変えます。

5.boilingを学んだ後なので、理解は速いかと思いますが、押さえておきたいポイントはこちら

Melting is when a solid changes into a liquid.(溶融とは、固体が液体に変化すること。)

Particles within a solid gain energy when they are heated and change into a liquid.(固体内の分子は、加熱され液体に変化するとエネルギーを得る。)

固体が液体になり始める温度=溶け始める温度を、英語でmelting pointと言います。

The melting point of ice is 0℃.(氷の融点は0℃である。)

テキスト上には出てきていないのですが、液体が固体へと変化する凝固点 (freezing point) という言葉も一緒に覚えてしまいましょう。

固体から液体へ、液体から固体へと状態が入れ替わるだけなので、通常はmelting point と freezing pointは一致します。

これにはヒステリシスといって物質が過去に受けた影響によってずれてしまう例外もあるのですが、大学以降の単元になるかと思いますので、今は気にせず大丈夫です。

 

7.Temperature scale(温度計)

最後に、誰が温度計を発明したのか?温度表記の違いについて学びました。

Gabriel  Daniel Fahrenheit  ガブリエル・ダニエル・ファーレンハイト (1686-1736)

華氏(°F、Fahrenheit、ファーレンハイト度、カ氏)

アメリカや一部の国で今でも使われている温度の単位です。標準気圧での水の氷点を32度、水の沸点を212度としています。(この華氏、°Fは、もともとは「海水が凍る温度を0度、羊の肛門の温度を100度」としていたなんて話も。)

通常ではマイナスにはならないことや、1度の差が細かいので小数点をあまり使わずに済むなどの利点もあり、今でも使い続けている国もあります。

■Anders Celsius アンデルス・セルシウス(1701-1744)

摂氏(°C、Celsius、セルシウス度、セ氏)

こちらの温度の単位、摂氏は、私たちが普段使っている表記ですね。標準気圧での水の氷点を0度、水の沸点を100度としています。

水の変化が基準になっているのでわかりやすく、多くの国で使われています。

■William Thomson ウィリアム・トムソン(1824-1907)

ちなみに、こちらウィリアム・トムソンとケルビン卿(Lord (爵位)Kelvin (ケルビン))は同一人物です。

ケルビン(K、Kelvin)

熱力学や物理学では、絶対温度のK(ケルビン)が使われます

短くまとめるのが難しいのですが、通常、原子や分子の動きは温度が上昇するに連れて動きが激しくなります。絶対温度0度では、動きが完全に停止しているため、熱エネルギーがゼロになります。

熱力学や物理学では、絶対温度=0度を使って、熱エネルギーを考えていきます。

Absolute zero(絶対零度)= 熱エネルギーがゼロ

絶対温度は0度以下にすることができません。

少し長くなりましたが、今回のユニットの学習をざっと見てきました。まずは単語を覚えるところから。次に、自分の言葉で、各現象をすらすらと説明できるように教科書を丸暗記する勢いで読み込めると良いですね^^