▶このブログ記事は、マレーシア編入初年度体験記【Term2】シリーズの第3回目です。
編入3か月が経ちました。
振り返ってみると、編入初日から毎日が「本気」そして「挑戦」の連続でした。
英語も環境も、すべてが新しく、Year5の長男も私も「わからないことだらけ」の中で手探りのスタート。
でもその中で、少しずつ「できた」「伝わった」「わかるようになってきた」という実感が増えていった日々でもありました。
今回はその中でも「理科好きなのに、授業もテストも苦戦した」長男Uが、初年度の理科のテストで20点から95点へとスコアを伸ばした、3か月間の取り組みと成長の記録をまとめてみたいと思います。
1回目のFAは20点。自分の立ち位置を知る結果。
編入からわずか4日後、長男Uは人生初の「インター校の理科テスト(FA)」に挑戦しました。
このFA(Formative Assessment:形成的評価)とは、学習の途中で生徒の理解度を確認し、教師が授業内容や教え方を調整するための“気づき”にもなる評価テストです。(英語圏の教育界では広く使われている標準用語です。)
つまり「成績をつけるため」ではなく「より良く学ぶため」に行うチェックで、点数よりも「伸びしろ」や「気づき」が重視されます。
けれどもこのときはまだ、本人はもちろん私たち親ですら、授業も学校の仕組みも理解しきれず、そもそも何のテストなのか、そもそもテストなのか?!すら分からないまま…
初めてのFAの結果は
20点!
長男本人は、途中でテストを棄権(!)するほど分からない内容だったため、「そんなに点数撮れるわけないじゃん」とあまり気にしていない様子でしたが、最初からうまくいかないことは覚悟していたとはいえ、日本のカリキュラムから子どもたちを抜けさせた親としては、その選択の責任がずっしりと肩にのしかかってくるような思いでした。
だからこそ「ここからどう立て直すか」を考え、気持ちを切り替え、一緒に対策をすることにしました。
2回目のFAに向けて始めた家庭学習
「ここを見れば分かる」を作る
まず取り組んだのは、「理解の軸」を作ること。日々の学習理解です。
先生から配信されるスライド資料を一緒に見ながら、「まとめノート」を作成してひとつずつしっかり理解を進めていく。まだ「ノートの取り方」も身についていなかったので、将来を見据えて「要点を書き留める」習慣を作りたいと思っていました。
最初は、子どもと一緒に内容理解をするためにも、私が鉛筆でノートに下書きをしてハードルを下げ、
それを息子がなぞって書き込む形で、重要語句には簡単な日本語訳も加えて「英語と日本語をしっかりつなげること」を最優先しました。

一問一答カードで「問いに答える力」を養う
次に取り入れたのが、一問一答カード。こちらはテスト対策です。
ユニットごとに色分けしたカードを使って、用語や定義を定着させ、英語で「答える」練習を積み重ねました。
これは、後のテストでもしっかり効果を発揮してくれました。


2回目のFAの記録は…残念ながらデータが消えてしまって、正確な点数は分からないのですが、70-80点台に上がっていたと記憶しています。
結果をもとに、点数を落としたところを見直し、
・理由を説明しなくてはならない問題(記述)
・重要単語のスペリングミス
次のFAに向けては上記のカードで、「説明文を丸ごと覚え、書く練習」を繰り返しました。
3回目は95点!「わかる」が「自信」に変わった瞬間
3回目のFAでは、Year4の「Habitats(生息地)」と、Year5の「The way we see things(光の性質など)」が出題範囲でした。
ケンブリッジ式カリキュラムでは、いわゆるスパイラル学習(spiral learning)が取り入れられているので、同じトピックを学年をまたいで繰り返し扱いながら、理解を徐々に深めていく構成になっています。そのため、過去の学年で学んだ内容が突然テストに出てくることは珍しくありません。
長男にとっては英語で未習だった「Habitats」の内容も含まれていたため、復習しながら新たに学び直す必要があり、親子でネット検索やスライド資料を駆使しながら、理解を積み重ねていきました。
復習範囲も多く過去学年の内容まで含まれる中で、ノートで「まとめる練習」をしたことは、自分でポイントを整理する力をつけていくことに繋がっていきました。
そして、3回目のFAの結果は…
95点!
しっかりと「結果が出た」ことでサイエンス学習もモチベーションをあげていくようになりました。
わが家が使った教材&ツール
- Cambridge Primary Science Learner’s Book
- まとめノート(手書き+印刷)
- ユニット別の一問一答カード
- GoFormativeの出題スライドをもとにした演習

まとめ:成績よりも、「わかる喜び」の積み重ね
マレーシア入国が叶わないまま、日本の仮住まいで奮闘した10歳、小学5年生の努力の日々。
私が大切にしたいと思っていたのは、「学ぶって楽しい」「自分でできた!」という気持ち。
そして、得意なことを「できるだけ早く軌道に乗せること」で、モチベーションを保ち、自分に自信をもって生きられるようにということ。結果的に、この時の頑張りと結果は、本人のやる気や自信につながり、学習の質がどんどん高まっていったのだと思います。
また、この「スタートダッシュ」の猛努力が彼の土台を作ったからこそ、現在、Year10の長男Uは学習面に強い自信とこだわりをもって、学校生活も、それ以外も大いに楽しんでいるようです。
小学校高学年からの編入は、難しい部分もあると思います。
けれども、適切な時期の適切なサポートで、ちゃんとここでやっていけるだけの土台を築くことが出来ると思っています。
さて、UとKの通うインター校は、コロナの影響もあり、本来の夏休みを1週間削減、8月8日から16日までの11日間の夏休み!国内ではコロナ感染者数も再び増加傾向にあります。
長期休みは、現地の生徒さんたちに追いつくチャンスなので夏休みらしいことはしてあげられないかもしれませんが、頑張った2学期をしっかり癒してあげられる時間は、しっかり作ってあげたいなと思っています。
我が家のこの記録が、編入初期での迷いや不安を抱えているご家庭のヒントになれば嬉しいです。
▶ 第1回の記事はこちら:
【長男・Year5】小5でインター校へ編入!リモート授業初日の衝撃と英語の壁
▶ 第2回の記事はこちら:
【長男・Year5】成長の兆しと親の試行錯誤:英語補習から理科までの奮闘記
▶ シリーズ記事一覧はこちら:
【マレーシア編入初年度体験記シリーズ】
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