▶このブログ記事は、マレーシア編入初年度体験記【Term2】シリーズの第2回目です。
編入初日のリモート授業で、画面越しの英語に押し黙ってしまった我が家の長男(当時小5)。
緊張の面持ちで、お友達のスピード感ある英語に「名前」を言うタイミングすら逃し、授業が終わったあとに「学校初日は…50点…」とつぶやいた彼。
それでも、「やめたい」とは一度も言いませんでした。
▶ 初日の様子はこちらから読めます:
👉 【長男・Year5】小5でインター校へ編入!リモート授業初日の衝撃と英語の壁
今回は、そこからコツコツ積み重ねた努力と、親子で乗り越えていった学習の壁について記録したいと思います。
リモート学習の日々と、家庭での工夫
マレーシアに入国できないまま、日本の仮住まいからインターのリモート授業に参加する日々が始まりました。長男Uの学習は、毎日朝からGoogle MeetとGoogle Classroomを使ったリモートで行われました。
まだYear5の授業レベルに達していない英語力に加え、教科書も机もない生活環境。
ポケットWi-Fiで接続し、床に座って授業を受けるような毎日。
そんな中、授業で使われる単語や概念に少しでも慣れてもらおうと、母はできる限りの工夫をしました。
- スライド資料を一緒に確認して補足
- 単語は口に出して発音しながら覚える
- 学年相応の学習内容に追いつくための自作ノート
地味だけれど、一歩ずつ「わかる」「聞き取れる」ようになるための、とにかく努力の日々でした。

理科のハードルは「英語の壁」だった
理科(Science)の授業は特に大変でした。
Uが入学する前に、クラスメイトはすでに授業で学習済だった「自家受粉」や「蒸発」「溶解」などの単語や現象。
日本語でも説明に苦しむような内容を、英語で理解しなければならない現実に、我が家の長男はたびたびくやし涙をためていました。
教科書が手元にない状態で、Google検索と先生のスライドを頼りに、「一緒に学ぶ」日々。
長男「ママ~…もうわかんない…」
私 「やめる?」
長男「やめない!」
こんなやり取りが、何度も繰り返されました。
英語が分からないからこそ、親の支えが必要であり、でもそのサポートが過ぎると自立の妨げになる。
そのバランスに悩みながらの、試行錯誤の連続でした。

science ホームワーク(まだ言いたいことが文章で表現できず筆記問題は赤ペン直しだらけ)
「10文作文」のコツコツ積み重ねが生んだ変化
そんな中、少しずつ長男の言葉を形にしていくために始めたのが、当時日課にしていた “10 sentences writing“。
- テーマは「昨日の出来事」「思っていること」など身近なこと
- 分からない単語は自分で辞書を引く
- 最後に必ず、文の確認をする
最初は嫌々だった長男も、毎日続けていくうちに、「知っている言葉」が文章になり、「言いたいことを伝える英語」へと進化していきました。
作文を通して、自分の中に「使える英語」が蓄積されていくことを、長男自身も感じ始めていたようです。

👆こちらは10sentencesを始めて数週間の頃の文。
👇こちらは10sentencesを初めて1~2か月の頃。

始めた頃と比べてみると、「自分が普段使う言葉」をいくつかストックした彼のライティングスピードは確実にUP。
そして作文することへの抵抗が消えて、書くことに慣れ始めていました。
実際、知っている単語で限定的な文を作るところから、辞書を使って「言いたいことを伝える文章」へと文の中身が変化してきています。大きな一歩を踏み出しました。
ネットと好奇心が引き出した「調べる力」
もうひとつ、彼の作文力の成長につながったのは、「ネット検索力」でした。
「分からないことを、そのままにしない。」
「どう言えばいいか、自分で調べてみる。」
Google検索や、HiNative、DMM英会話の「なんてuKnow?」などを活用しながら、自分の言葉を英語にする力をつけていきました。
ネットや動画の利用については制限をかけることもありますが、「調べたい」という気持ちが先に立つときは、学びのチャンスだと感じました。

母の揺れと、息子の「やめない」の言葉
世の中が混とんとしている中、立ち止まれば私の心も揺れてしまうのを感じました。
「これで本当にいいのか?」
「無理をさせすぎていないか?」
「日本の小学校に戻した方が楽なのでは?」
だから立ち止まることはしませんでした。長男はいつも静かに、「(この学校を)やめない」と言ってくれていました。
人知れず悔し涙を流していたり、疲れたり、気分が落ちる日もあったけれど、一度も「やめたい」と言わなかった彼の姿に、私は支えられました。
まとめ:親子の距離と成長のバランス
インター校への途中編入、それもリモートでのスタート。
英語力が足りず、内容も未知の世界。親が支えなければ乗り越えられないことが山ほどある状態でしたが、でも、全部を手伝ってしまえば、自分の力にはならないということは分かっていました。
だからこそ、「助けすぎず、でも見放さず」という息子たちとの距離感が、私にとっても最大の学びでした。
英語も理科も、最初はまったく授業についていけなかったUですが、少しずつ「自分の力」で学びを重ねていったあの時間は、今でも何にも代えがたい貴重な時間だったと思います。
▶ 次回の記事予告:
【長男・Year5】3か月で理科20点→95点!インター校で見えた学びの手応え
|マレーシア編入初年度体験記【Term2】
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