▶このブログ記事は、マレーシア編入初年度体験記【Term2】シリーズの第1回目です。
2020年4月、我が家はマレーシアのインターナショナルスクールへ、長男(当時10歳・Year5)と次男(当時7歳・Year2)の転入を決めました。
けれども世界はちょうどコロナ禍真っ只中。
家族でマレーシアへ渡るはずだった計画は一変し、1年半もの間「日本にいながらリモートでインターに通う」という想定外のスタートを迎えることになるのです。
今回は、長男Uが編入初日に経験した「初めてのインター授業」の衝撃と、親子で乗り越えた1日について書き残しておきたいと思います。
コロナで入国できないまま始まったインター編入
私と2人の子供たちは、本来なら2020年4月末にはマレーシアに渡航して、現地の生活をスタートさせているはずでした。当時の持ち家は既に賃貸に出し、借り手が決まり、渡航前までの間はホテルに滞在しようかと、そんな矢先…
コロナによる国境封鎖で「まさか!」のマレーシア入国ができなくなってしまったのです。
住む場所がなくなった私たちは、パパの仮住まいのワンルームマンション近くに、もう一つ部屋を借り、そのマンスリーマンションを拠点に「日本にいながらマレーシアの学校にリモート通学する」という想定外のスタートを切ることになりました。

そして迎えた、2020年4月27日、編入初日。
兄UのYear5の授業は、完全リモートでスタートしました。
リモート授業初日、誰とも会わずに「初めまして」
担任の先生とも事前の連絡なし。
クラスメイトとも初対面。しかも、画面越しに英語で「こんにちは」。
Google Meetにログインした長男(知らない名前)に、「キミ、誰?」「名前は?」見知らぬ子どもたちが英語で話しかけてきます。緊張して表情の硬い長男U。英語にもタイピングにも不慣れで、質問にうまく返せない…。
私は隣で見守るしかなく、内心はハラハラ、冷や汗だらだらでした。
初めての授業でも英語が飛び交い、名前すらうまく伝えられない状況。
これは、小5の息子にとって、なかなか過酷なスタートでした。

英語・機材・環境の三重苦。母子で乗り越えた1日目。
引っ越しの荷物をとりあえず担ぎ込んだマンスリーマンションは手狭で、我が家の通信環境も整っていない。そんな中、長男はパパのワンルームに設置されたポケットWi-Fiで、引っ越し荷物の段ボールをテーブル替わりにしたり、床に教科書を広げてノートを書いていたり。。。
とにかく必死でした。
初日授業の1コマ目は、英語の補習クラス。
慣れないマレーシア英語の聞き取りが難しく、もちろん話も出来ない…
沈黙が続く時間が続くたび、もどかしさと悔しさがこみ上げ、やるせない思いに耐えている様子でした。初めての授業の後はちょっぴり元気がなく、萎れている長男Uの姿が目に映りました。
母も「隣で見守ることしかできない無力感」に襲われ、胸が痛みました。
得意だった算数が救いに!笑顔が戻った瞬間
救いだったのは、3コマ目の算数の授業。
長男Uの得意分野であり、式の構造は英語がわからなくてもなんとか理解できる、算数は世界共通教科だと改めて思いました。そして「分かった!」「できた!」「解けた!」と、笑顔を見せてくれた彼に、私は心底ほっとし、胸をなで下ろしました。
何かひとつでも強みのある教科があると、子供が自尊心を失わず、モチベーションを保てると思います。

編入初日。
丸1日の授業が終わったあとに「今日に点数をつけるなら、何点?」と長男に聞いたところ、
「…50点かな」
という答え。
でもそれは、「まだ分からないけど、たぶん、やっていけそう」という前向きな「伸びしろの50点」だったように感じます。少しの成功体験が、次の日への活力になったのだと思います。
子どもの50点と、母の決意
子どもにとっても、母である私にとっても、編入初日は予想以上に試練の1日でした。
それでも、「逃げたい」「やめたい」と言わず、分からなくても、「やめない」と決めた長男Uの姿を見て、私は「何があっても、この経験が子供たちの成長の糧になるようサポートをする」と固く決意をしたのです。私が、母として、本気で子供達たちの学習と心の支えになろうと決めた出来事でした。
まとめ:いま迷っている方へ伝えたいこと(2025年5月追記)
海外校への編入は、「語学力」よりも「乗り越える意志」何よりも「本人の意思」が鍵になると思っています。例えば、間違えることを怖がらずに話そうとする勇気だったり、「できない自分」を受け入れる力を備えていたり。そして周囲の大人や友達、そして親に頼ることを恥ずかしがらず、何よりも、「本人の」継続しようとする意志が強いこと。
あえて言い切りますが、これらが揃う子は必ず伸びていきます。伸びていっています。
もちろんそれは、子ども一人では育ちません。そんな勇気や意思を現時点で持っていなくても、これまでの、そして「これからの」親の関わり方で子供たちの伸びしろは大きく左右します。海外インターに編入して約6年間の間、自分の子も、自分の子以外も含め、たくさんの子供たちの成長を見てきました。
「今のままで大丈夫かな?」と迷っているご家庭の方へ。
人生は1度きり。迷っているのであれば、思い切って挑戦してみてもいいのではないかと思います。
私たち親子の記録が、少しでも、皆さんの参考になれば嬉しいです。
▶ 次回の記事予告:
【長男・Year5】親子で向き合う学習の壁:英語補習から理科までの奮闘
|マレーシア編入初年度体験記【Term2】
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