こんにちは!マレーシアで思春期男子×2を子育て中のSachiです。
長く勤めていたお仕事を辞め、少し時間的ゆとりが出てきたので、最近はインター編入後の7年間を振り返りながら、今の自分の立ち位置を考えています。
そんな私が、改めて考えているのは、高学年でのインター編入は、本当に厳しかったのかということ。
これから教育移住をしようと考えていらっしゃる方の中には、「もう遅いのでは」「ついていけるのか」「単身で行かせるべきか」などなど・・・様々な迷いを抱えていらっしゃる方もいるかもしれません。
当時の私も同じような気持ちでいましたが、我が家の場合、本人の意思が多少はありました。
とは言え、私の頭の中には言語の臨界期(仮説)への不安があり、だからこそ、少しでも早く英語環境に馴染めるようにと焦りがありましたが、それでも彼ならやっていけるはずだと、それまで積み上げてきたものを全て捨てて、マレーシア移住を決意しました
我が家の場合は、移住を決めたのは長男小4の夏。
けれども不運にもコロナロックダウンで、最初の2年間は日本/マレーシアからのオンライン授業、そして実際通学を開始したのは、Year7(小6後半)になってからでした。
インター編入は学校にもよりますが、年齢が高くても伸びた例をたくさん見てきました。
これは、単身留学生たちとガーディアンという立場で関わる中で見えてきたことですが、言語面は学年が上がれば上がるほどハードルが高くなる一方、「自分自身の意思の力が強い子」は、幼い頃から海外環境にいる子たちをはるかにうわまるスピードで、新しい環境に追いついていく子が多かったのです。
結果的に思うのは、高学年が難しいのではなく、「支え方」がすべてだったということです。
小学生くらいであれば、親のサポートは必要不可欠。
中学生~で自分の意志で来られる単身留学生は、自分で自分を支えている子たちがとても多い印象を受けました。(「自分の意思」で来られる子は、アカデミック面で自立に向かう力が強い子が多かったです)
話を戻しますが、今回の記事では、実際に私が行った小学校高学年の息子への具体的なサポートと、それをちょっと別目線で(脳科学や言語学、学習科学の立場から)見てどういう意味を持っていたのか?を整理してみようと思います。
高学年編入、当初の様子
冒頭にも書きましたが、我が家の場合はオンラインでの留学スタートでした。
私も仕事を辞め、子どもたちの学習サポートに100%時間をつかえる状態だったので、子どもたちの授業は私も隣で一緒に聴くところから始めました。
実際の授業を体験してみると、授業の進み方や、求められる答え方の違い、それから、しっかり意見を求められる分「英語が話せない」ことは今後大きなストレスになるだろうということが理解できました。
当時長男の言葉を思い出すと
「授業が分からないのは、あとで復習できる。でも、先生の質問に答えられないのは辛いし、友達との会話はスピードも速いしなり立たない(追いつかない)。」
オンラインでもグループワークはあったので、そういった「コミュニュケーション」面が一番つらかったようです。
本人のその気持ちを受け、一番に強化したのは「会話」部分。
すぐにオンライン英会話(2社)に申し込み、一日5~6コマ(2~3時間)はとにかく「会話」に焦点を当てられるようにしました。
とはいえ、「オンライン」という特殊な状況を楽しみながら表面的には穏やかでしたが、彼の内面的なストレスはかなり大きかったと思います。そして私はと言うと、
子供の将来を大きく変える決断をしたこと。
それがプレッシャーとなり、心のどこかに不安や焦りを感じることも多かったです。
私が実際にしていたサポートの具体例
最初の頃は、「とにかく英単語を増やさなければいけない」と思っていましたし、実際に単語力は必要だったと思います。
でも、最初の壁は単語量そのものではなくて、わからなかったのは、
◆ この授業は何を求められているのか
◆ どこが大事なのか
◆ どう答えればいいのか
という日本とは異なる「カリュキュラムの癖」の部分でした。
① 授業内容を日本語で構造化する
今でこそ、「シラバスを読みこむことが最短」と思うのですが、入学当初はそんなことは頭の片隅にもありませんでした。その代わり、教科書はYear1からさかのぼって購入し、理科は徹底的にノートで重要ポイントの理解を深めました。
日本語からうまくトランジットしていくためには
✔ 内容理解(何を学んでいるか、そして理解が出来るか)
✔ 英語表現(それらを英語でどう表現するか)
この二本柱がとても大切になってくると思います。
日本語で理解・整理する。
そうすると、英語が分からなくても、考えている内容は理解でき、思考が追いつくと、あとから英語が乗ってくる、そんなイメージでした。
②「わからない」を分析した
日本での学習も同じだと思いますが、一番効果があったのはここかもしれません。
何が「わからない」のかを分析しました。
単語?質問の意味?答え方?そもそも内容・・・?
ほとんどの場合、全部が分からないわけではありませんでした。
テストであれば、点数を落とす原因、例えば計算ミスなのか、間違えて覚えているのか、その単元を日本でやっていないからなのか、英語が分からなかったのか。
わからない原因を分析すると、「次は何をしたらよいか」が見えてきますよね。
漠然とした不安はあっても、具体的な課題はとても小さく、そのひとつひとつは解決可能なことに感じられると思います。
③考え方と答え方を教えた
高学年の授業では、
◆ Explain(なぜそうなるのか説明する)
◆ Describe(何が起きているのかそのまま書く)
◆ Compare(共通点と相違点をあげる)
◆ Geve reasons(根拠を示しなさい)
※SedcondaryではJustify(根拠を示して説明する)も出てくる
◆ Suggest(考えられることをあげる)
◆ What do you notice?(何に気づきますか?)
※変化やパターンなどデータや図から読み取れる事実
となどいった問題(テストでも)は増えてきます。
それが分かれば、because, therefore, for example などの「論理の接続」を意識的に使う「答え方」の練習ができますよね。
PrimaryのScienceの場合は
それは○○である。なぜなら・・・たとえば✖✖のような。
の型に単語/短文をはめていけば、大抵のことは乗り越えられた記憶があります。
長男の場合は、内容理解は母国語で一緒にやっていたので、単語や短文が頭に入った後は、Scienceはそこまでストレスなく追いついていくことが出来ました。
意識していたのは、常に「どう答えを組み立てるか(どうやって点数を取るのか)」を分析し、伝えるようにしていたことです。
④単語を丸暗記させなかった
もちろん単語は必要ですが、単語だけを覚えても、文章の中でどう使うのかが分からなければ意味がありませよね。
我が家では、会話の恐怖感を減らすためにオンライン英会話を活用しましたが、学習英語は、まず繰り返しテキストを読む。それを日本語と一致させる。そして、最後にそれをもう一度英語に戻すという作業を繰り返しました。
英語を増やすというよりも、意味を整理し出力する時間が大事だと考えました。(アウトプットは「面倒くさい」の壁があると思いますが、紙とペンでなくても、音声でも、アプリを使っても、お子さんに合う方法で良いと思います)
これを繰り返すと「全部わからない」が「ここがわからない」に変わっていきますし、実際にこの変化はとても大きかったです。
⑤ 一番意識したのは 孤立させないようにしたこと
今でも思いますが、「ひとりで戦っていない」という感覚は、何よりも大事にしていたと思います。そして、これから単身/母子/家族移住される方にも、ぜひ大切にしていただきたい部分だと思います。
高学年は、プライドも芽生える時期だと思うので、できないことを見せたくない、周りに遅れている自分を悟られたくない。でも、誰にも言えない。
男の子はとくに言語化が苦手な子が多いと思うので、その状態のときが、いちばん苦しかったと思います。
だからこそ、「わからない」を言える環境をつくることを、私は何よりも大切にしました。分からないことであっても「一緒に考えるよ」という姿勢を崩さないことが、子どもを孤独にさせない「伴走」だと思っていたからです。
コロナ禍で物理的にそばにいられたことは、偶然でしたが、今思い返せば、結果的に大きな支えになっていたと思います。
私がやっていたことは特段高度な指導などではありませんが、ここに書いたような、ちょっとしたサポートが、最初の2年間を乗り切る土台になったのだと思っています。
脳科学や言語学、学習科学の立場から振り返ってみたこと
私は脳や言語の専門家ではありませんし、編入当時からこういった視点から行動を決めたわけではありませんが、目の前のわからないに向き合いながら、試行錯誤をしてきました。そして現在は、私自身が大学で学んでいる心理学の延長で、こういった専門的視点から「高学年でのインター編入は、本当に厳しかったのか」ということを改めて考えてみたいと思ったのです。
結論から言うと、編入当初2年間にしていた家庭サポートは、脳科学・言語学・教育学の考え方に意外と近く、それ故に、大変ながらもなんとかなった、比較的早い段階での順応が出来たのかもしれないと考えています。(オンライン期間の手厚いサポートもあったと思います)
① 脳科学的に見て、 認知負荷を下げるということ
脳には「ワーキングメモリ」という、一時的に情報を処理する領域がありますが、高学年での編入は、
◆ 英語を読む
◆ 内容を理解する
◆ 答えを組み立てる
◆ 先生の指示を追う
◆ 周囲の雰囲気を察する
これらを同時に走らせることになります。
つまり、脳は常にフル稼働状態に陥るんですね。
長男と一緒に試みていた、日本語で構造化して、わからないを分解し、答えの型(パターン化)をするという作業は、結果的に「同時処理を減らす」ことに繋がっていたようです。
脳は、負荷が下がると理解が進む性質があること、そして「分かった」が増えると、次の理解に取り組む余力が出てくるように感じました
だから、焦らせるよりもしっかり整理する。
これは脳の仕組みに合っていたのではないかと思っています。
② 言語学的に見て 、 *CALPへの橋渡しをすること
高学年で求められるのは、日常会話以上に抽象的な学習言語です。
例えば、explain, describe, compareg, give reasons, suggestなどの問いは、日本の小学生たちにはあまり訓練を受けていなく、日本語であったとして難しく感じる子はいるのではないでしょうか。
私は英語 → 日本語で概念を固める → 再び英語へ戻すという作業をしていましたが、これは、学習言語(CALP)を母語で支える形になります。
「英語力が足りない」のではなく、「概念と言語がまだ結びついていない」
そこを、ひとつずつつないでいくことで、日本語→英語への橋渡しが、比較的効率よくいったのではないか、と思っています。
※会話(BICS)は比較的早く伸びても、学習言語(CALP)は時間がかかると言われています。
③ 教育学的に見て、 スキャフォールディングだった
教育関係の本を読んでいる方(とくに英語圏の教育書では頻出)は聞いたことがあるかもしれませんが、教育学では、「足場かけ(スキャフォールディング)」という考え方があります。(心理学で出てくる「モデル学習」とはちょっと違います)
最初は大人が支え、
①型を見せる
②一緒にやる
③部分を任せる
④徐々に手を離す
この過程を通して、一人では難しいけれど、支えがあればできる範囲を少しずつ広げる考え方です。
当時の長男も、最初はほぼ全部範囲を私と一緒に整理していましたが、徐々に少しずつ「ここは一人でやってみよう」に変えていきました。Year8の途中から(13~14歳)はほぼ自立学習で、Year10-11のIGCSE Yearは完全自走です。
母子移住されている方は、お母さんが一人でなんでもやろうとしがちですが、役割を少しずつ子供に委ね、自分の行動の責任を自分がとる、そうやって彼らが自立していくことを一緒に見守っていきませんか😊
ここにいろいろ書いたことは、高学年でも十分に間に合う方法だと思うのです。
まとめ|高学年でも、ストレス値を下げた移行はできる!
高学年からの編入は、そんなに簡単なことではないと思います。
けれども、編入から7年目、ここまで育った子どもたちを側で見てきて思うのは、高学年だから不利になるということは一概に言えず、それよりもプランや見通しがないまま放り込まれることが一番きつい、ということでした。
高学年からは徐々に、理解する力や、戦略(計画)を考える力、自分を客観視する力がついてくるので、「勉強のやり方」そのものを学び、そのやり方が合えば一気に伸びる力があると思うのです。
これは私の反省からですが、焦って結果を求めると親子関係が先に傷ついてしまうので、いろんなことがうまく回らなくなってしまいます。
わからないを言える環境だったり、一緒に整理してくれる存在がいれば、ストレスはゼロにはならないかもしれないけれど、耐えられる大きさまで下げられるのではないでしょうか。
その積み重ねが、後から学力につながってくると思うのです。
私は、今は16歳、13歳の、思春期男子たちの子育てに試行錯誤をしています。
なかなか悩みは尽きないものですね。
わが家の一例がすべてのご家庭に当てはまるとは思いませんが、子どもをひとりにしないことだけは、どんな環境でも大きな支えになるのだと、子どもが大きくなった今でも思っています。
子育て中のお母さま方、いつか終わりが来てしまう子育てを、もう少し、一緒にがんばりましょうね!
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