この記事では、私がKL近郊の「Port Klang」から、サラワク州クチンの「Port Kuching」へ、自家用車として利用していたPerodua Bezzaを、RoRo方式(Roll-on Roll-off:車をそのまま船に積載)で輸送した方法・費用・手続き・注意点をまとめています。(2023年実績)
※なぜRoRo方式で運ぶことにしたかは、現在別記事にて執筆中です。
例えばKLからクチンやコタキナバルへ、またその逆に、西マレーシアへ引っ越す予定があるけれど、
- 車はどうやって送るのか
- 必要書類・費用・どこに渡すのか
- 車の中に荷物は入れられるのか
など、当時の私のように情報が無くて困っている方、不安や疑問を抱える方の参考になれば嬉しいです。
※その他の荷物の移動についての記事は、現在別記事にて執筆中です。

Port Klang -North Port Storageにて
1. 輸送ルートと所要時間
KL近郊の「Port Klang」から、サラワク州クチンにある「Port Kuching」まで、RoRo方式を使って車を輸送しました。天候に左右されますが、出航後は3~5日で到着するのが一般的とのこと。
項目 | 内容 |
---|---|
出発港 | Port Klang(ポートクラン、セランゴール州) |
到着港 | Port Kuching(クチン港、サラワク州) |
方法 | RoRo方式(Roll-on Roll-off:車をそのまま船に積載) |
所要日数 | 出港後 約3〜5日(天候・スケジュールによる) |
使用便例 | Malaysia Grace 25(2023年11月24日出発) |
2. 輸送手続きの流れ
Step 1:業者に連絡し見積もり
“Malaysia RoRo” などでネット検索をすれば、いろいろな業者さんが見つかると思います。
気になる業者さんがあれば連絡を取り、「対応の早さ」や「サービス・見積」などを元に比較検討されると良いと思います。
私は
・個人車両のピックアップが可能(自宅周辺まで来てくれる業者)
・車の保管(入庫から出発まで/到着から出庫までの日数があく場合)
・通関
を包括して提供している業者さんということで、ECLマレーシア現地法人の担当者の方から以下の
・Ventura Trans and Services Sdn Bhd
・Teamwork RoRo
2社を紹介をしていただきました。
連絡先は、FacebookやHPで最新の情報を確認し問い合わせをしてみてください。
Step 2:必要書類の提出
私は2社同時に見積もりを出しましたが、Ventura Trans and Services Sdn Bhdの方がRM500安かったです。値段が安く逆に心配になりましたが、現地の方から「規模が大きい会社は安い料金が出てくる」「スタッフが多いとレスポンスが良い」とのアドバイスをいただき、私はVenturaにお願いをすることにしました。
以下の書類をスキャンまたはスマホで撮影し、担当者にWhatsAppまたはメールで提出。
書類 | 内容 |
車両登録証(Geran) | 表裏のコピー |
パスポートまたはIC | 表裏のコピー |
ローン中の場合:銀行の承諾書 | 車が分割払い中の場合に必要 |
ローンなしの場合:保険証書 | 任意保険(First Party)加入証明 |
Step 3:車の引き渡し調整
私のように地方暮らしの場合は、車を自宅付近まで引き取りに来てくれるサービスを利用されると良いと思います。ただし、車の引き渡しは自宅まで来てくれるわけではなく、業者が指定する高速道路の出口など(例:TOL Gopengなど)で行われます。引き取りにはロリトレーラー(大型積載車)が使われ、現地での合流後に車両を積み込みます。ちなみに、この作業は元請け業者ではなく、別の下請け業者が対応することもあるため、日時や担当者の確認は念入りにされると良いと思います。
参考までに、このロリトレーラー(大型積載車)の移送中の事故に関しては、業者側は一切責任を負わないという趣旨の説明がありました。
Step 4:支払い
Step2の後、見積もりをいただきました。
条件に合意の上、見積額の10%のRM200を期日までに支払い、残額は入庫の前日までに支払うように説明がありました。
申込を決めた後のdepositの送金後、最初に何度かやり取りをしたVenturaの担当者の方から別の方に、担当替えがありました。その為、当日までのサポートは、2人目の担当者の方にしていただくことになりました。(担当変更後、最初から説明しなおさなくてはいけないことが何度ありました)
3. 実際にかかった費用
項目 | 金額(RM) |
Port Klang→Port Kuching | |
合計 |
※Perodua Bezzaの場合
※他の車種(Myvi、Axia、輸入車など)や、他都市(Johor BahruやPenang)発着の場合は金額は異なります。詳しくは見積もりを。
🔗 最新価格や予約はこちら(ventura公式サイト)
陸路の輸送見積もりをしたものの、実際は引っ越し直前まで車が必要になってしまっため、今回は陸路での輸送サービスの利用はせず、Port Klangへ車両を直接持ち込みする方法に変更しました。
4. 車内の荷物ルール(OKとNG)
この社内の荷物ルールについては各社様子が異なるようでしたが、こちらは我が家がお世話になったVenturaの場合。他社は持ち込み自体がNGと回答があったところもありましたので、念には念を入れ確認をすると安心だと思います。
項目 | 内容 |
持ち込み可能 | 日常衣類・本・食器類など (最大4〜5箱、各10kgまで) |
禁止品 | 貴重品、電子機器、Touch’nGo、ドラレコ、香水など |
梱包方法 | 箱に入れ、車の窓の高さ以下に収める |
注意点 | 紛失・破損はすべて自己責任。補償なし |
↓こちらはVentura担当者の方からいただいた、車内荷物積載ルール(最新の情報は直接確認してください)

5. 車の引き渡しと受け取り(出発地・到着地の情報)
詳細情報はVentura経由の場合。
実際に利用する場合は、利用される会社の最新情報をご自身で確認されると良いと思います。
出発地:ポートクラン(Port Klang)
車両の引き渡し場所:North Port Storage(ノースポート保管倉庫)
→Venturaの担当者が「ここに持ってきてね」と地図を送ってくれました。
※私たちは11/21に自分たちで車を持ち込みました。

🚗 営業時間(Ventura:ポートクラン側)
曜日 | 午前 | 午後 |
月〜木 | 10:00〜13:00 | 14:00〜16:00 |
金 | 10:00〜11:30 | 15:00〜17:00 |
土 | 10:00〜13:00 | なし |
到着地:クチン港(Port Kuching)
車両の輸送にあたり、出港時の悪天候の影響で、出港遅延連絡がありました。
11/24出発予定が11/27に、11/28到着予定が11/30にずれこみました。
その後、11/30の到着予定日になっても連絡が無いので担当者に連絡をしてみると、車はその時点でまだPort Klangにあった模様。1週間の遅延が発生していたようです。その後12/5に再度問い合わせをしてみると、車は既にPort Kuchingに到着済み。

本来は、車が到着地の港に到着すると担当から通知がある流れです。
「引き渡しまでの諸手続きに2-3日かかる」「手続きが終わったら、連絡をします」とのことでした。
🚗 営業時間(クチン港側)
曜日 | 午前 | 午後 |
月〜金 | 8:30〜11:00 | 14:30〜16:00 |
※港での受け取りには、車両の到着時に案内される担当者宛の事前連絡が必要。
※土日の受け取りは、私の時はダメでした。直接確認をされると良いと思います。
参考までに、車両は代理人の受け取りも可能です。(事前に連絡必要)
→本人(私)のIDと車両登録証(Geran)のコピー、代理人本人のIDを持参して受け取りが可能と言われました。(情報が古い場合もありますので、必ず直接確認をしてください)

Port Kuching側での車両受け取り受付

車両受け取りの際には、港に入る許可を取ります
大元のECLマレーシアに確認したところ、指定日に引き取りに行けない時は既定の保管料を払い保管が可能とのこと(保管無料期間もあります)。担当者により言うことが異なりますが、きちんと業者に確認をしたことを現場で話をすればちゃんと理解してくれると思います。
私の車は12/5前後にPort Kuchingに到着、12/11受け取りまで保管していただきました。当初、現場の方に保管料を求められましたが、業者とのやり取り履歴を見せ、話をし「今は無料保管期間」と理解していただくことができました。
6. 保険とリスクについて
最初に説明がありましたが、輸送業者側では輸送中の車両・積載物に保険はかけていません。損害が出た場合は、自分が加入しているFirst Party保険での対応のみが可能とのことです。(Third Party保険では補償されません)
また「車内積載荷物の盗難に関しては責任を持てない」ということは、担当の方、現地の方に何度も何度も繰り返し言われました。私の車はマレーシア国産車でしたし、何の被害・損害もなく車を運んでもらうことが出来ましたが、輸入車や高級車を輸送される方は車のアクセサリーや積載物に特に注意をされると良いと思います。
7. 最後に
車の移送を考えた時にはあまり情報が無く、誰にどうお願いすればよいのか全く分かりませんでした。
また、実際にこの輸送手配した当時はクチンに知り合いもいなかった為、到着に合わせた車の受け取りをどうしたら良いのかなど、引っ越し準備を勧めながらのスケジュール調整はとても大変でした。
途中で下請け業者との連絡が必要になったり、港での保管の問題が出てきたりと、思ったより「確認しなくてはならないこと」が多かったので、思ったより手間がかかったというのが正直な感想です。
それでも、ひとつひとつの作業を担当者としっかり連絡を取りながらstep by stepで準備を進めていけば、マレーシア国内のお引越しは、較的安心して(信頼して)荷物を西から東へ、または東から西へスムーズに進められるのではないかと思います。
私自身がそうだったように、「車は送りたいけど、何から始めたらいいのか分からない」という方へ、今回の記録がお役に立てましたら幸いです。
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