セブ留学中のボランティア体験が、価値観を揺さぶった
2019年8月17日、フィリピン・セブ島での親子留学中に、私と長男Uはタランバンという山村の集落での炊き出しボランティアに参加しました。
その地域は物質的には決して豊かとは言えませんでしたが、子どもたちがとても人懐っこく、家族や仲間と支え合って暮らす姿がとても印象的でした。
言葉も文化も違う中で、Uはすぐに現地の子どもたちと打ち解け、遊び、笑い合い、友達になっていました。ほんの短い時間でしたが、その体験は彼の心に深く、大切な時間として残ったようです。

活動を終えた帰り道、Uは小さな声でこう呟きました。
「また、来たいな……」
「友達に、会いたい……」
その、純粋に友達を想う子どもの気持ちと、現実を考える母の視点は交錯し、胸が詰まる思いでその集落を後にしました。
格差を体感した経験。子どもの目に映ったフィリピンの現実
フィリピン・セブの滞在中には、街中でも経済格差を目の当たりにしました。裸足で路上を歩く子どもたち、タクシーのドアを開けることでわずかな報酬を得ようとする子、家族のために働く小さな子どもたち……。
Uはその現実に向き合い、何かを感じたようでした。
普段の生活では見ることのない、でも確かに、今目の前に現実として映る世界。
お金をあげることは禁じられていると聞いていたし、今この子たちに「お金を渡すこと」が、本当の意味でその子の助けになるのか?Uと何度も話し合い、結果、自分たちが今「何もできない」無力さを心から感じた瞬間でした。
日本に帰りたくないという、子どもの素直な気持ち
セブでの2週間の留学生活を終え、帰国の飛行機に乗ったとき、Uはふと私の横でこう言いました。
「俺、日本に帰りたくない」
「1年とか、もっと長くここに住みたい」
のんびり屋で、あまり感情を言葉にしない長男のUが発した、素直な気持ち。
南国の穏やかな雰囲気、人懐っこい友達、過密すぎない毎日。
彼には、日本の教育環境やスケジュールよりも、この国の「のびやかな南国の空気」のほうが合っているのかなと、そう感じました。
子どもの「言葉」が、私たち家族を動かし、未来を変えていった
彼の「ここにもっといたい」という一言は、
私たち親の心にも大きな問いを投げかけてきました。
「この子にとって、本当に幸せに生きられる場所はどこなのか?」
「もっとのびのびと、心のままに学び・生きていける環境、国はどこなのか?」
それまでは漠然としていた「移住」という言葉が、このとき初めて、現実味を帯びてきたのです。
たったひとつの体験が、子どもの未来を変える。
たった一言が、親の考え方を変える。
このセブでのボランティア体験と、長男Uの言葉がなければ、あの時、私たちは日本を出る決断をしなかったかもしれません。
まとめ|海外での経験は、子どもの内側を大きく育てる
セブ島でのボランティア、そしてその体験から生まれた子どもの素直な言葉は、私たち家族にとって忘れられない原点です。
海外に出るということは、単に「英語力」を伸ばすことでも、「珍しい経験」をすることでもなく、子どもが「世界の広さ」と「自分の可能性」に触れるという、何よりも大きな学びなのだと思います。
子どもを育てるということは、「場所」を選ぶことでもある。
その気づきがあったからこそ、私たちは移住を現実の選択肢として歩き始めました。
今、この記事を読んでくださっている皆さまも、いつか、心が動く「きっかけ」が訪れますように。
移住のきっかけ①②はこちら ↓
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