日本で生まれ育った両親が、ケンブリッジ式の学校に通う子供たちの学習フォローをする時に知っておいた方がよい『学習カリュキュラムの内容』についてまとめてみました。
全ての情報はケンブリッジの公式サイトに載っていますので、ぜひご覧になってください。
ここではこれらを日本語で簡単にかみ砕き、必要な個所には都度リンクを貼りながらまとめています。
日本の小学校理科とケンブリッジPrimary Scienceの共通点
1. 学ぶ分野はほぼ共通
教科書にざっと目を通していただくと、馴染みのある学習分野を目にされるかと思います。
ケンブリッジ式でも
●化学(Chemistry):物質の性質、状態変化(水の三態変化など)
●物理(Physics):力やエネルギー、音、光の基本的な仕組み
●地球と宇宙(Earth and Space):太陽・月・星、四季や天気の変化
この辺りをしっかり学ぶので、共通している学習分野は多いと思います。
2. 実験・観察を重視
日本の小学校理科とケンブリッジPrimary Scienceは、実験や観察を通して理科を学ぶ点が共通しています。
また、両カリキュラムとも「予想→実験→結果の分析→結論」の流れで学習を進めていく点が同じです。
3. 身近な科学と結びつける内容
どちらのカリュキュラムでも、日常生活に結びついた科学的な現象を学んでいます。
例えば、States of Matter(物質の状態)の分野は、日本では「水の三態変化(固体・液体・気体)」を学び、氷が溶けたり、水が蒸発する過程を観察しますし、
Light and Shadows(光と影)の分野は、日本では「太陽の位置と影の長さの関係」を学習しています。
日本の小学校理科とケンブリッジPrimary Scienceの違い
1. カリキュラムの構成
日本では1年生でこれを学び、2年生ではこの学習をする、と学年ごとに系統的に学習を深めるカリュキュラムになっています。
一方ケンブリッジではストランド(分野別)で学び、学年をまたいで同じテーマを段階的に学ぶスパイラル学習を取り入れています。
2. 実験のアプローチ
日本では、決められた手順に沿った実験を行い結果を観察しますが、探究学習を重視しているケンブリッジ式では、仮説を立てて、自分で実験方法を考えるアプローチをしています。
具体例を挙げると、例えば日本では「水の蒸発」の観察を行いますが、ケンブリッジ式では「どの条件で蒸発が早くなるか?」を考えさせる学習をしています。
3. STEM教育とテクノロジー、科学の応用や倫理の視点
小学校では基礎学習に中心に進めている日本式の理科では、年々進化しているとはいえ、2025年現時点では、科学の基礎理解に重点を置き、テクノロジーとの結びつきは多くない印象です。
一方、ケンブリッジ式ではテクノロジーやエンジニアリングの視点を含む、STEM教育の考え方を採用しています。
また、日本では応用的な内容は中学以降で詳しく扱われていますが、ケンブリッジ式では「科学の倫理」「環境問題」など、応用的な視点を含んでいます。
カリュキュラムについてのまとめ
日本の小学校理科とケンブリッジPrimary Scienceには共通点もありますが、学習の進め方や科学的思考の育成方法が大きく異なっています。
将来、海外大学やグローバルな環境で学ぶ可能性があるなら、探究型学習に触れておくことが強みになると思います。
最後に、おうちでケンブリッジ式の学習サポートをしている保護者様へ、教師向け冊子となりますが、ケンブリッジ大学出版局(Cambridge University Press)が作成している『Cambridge Japan Booklet』のリンクを添付しておきます。
こちらは日本の教育現場で英語教育に携わる教師の方々を主な対象として作成された冊子ですので教師向けの情報が多いです。けれどもおうちで学習のサポートをされている保護者の皆さまにも役立つ発見がたくさんあると思います。
Cambridgeは、
「授業の新しいアイディアが欲しい」
「他校の先生はどんな工夫をしているか知りたい」
そんな思いをお持ちの先生方に、このBookletをお届けしたいと思っています。
お手に取って読んでくださった先生方の日々の授業に、
ほんの少しでもお役立ていただけますと幸いです。
Cambridge University Press & Assessment
English – Japan
今回の記事が、ご家庭でケンブリッジカリュキュラムのサポートをされている皆さまのお役に立てたら嬉しいです。
